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久藤清一の4分間

久藤が走った平塚競技場

 久藤清一がピッチに立ったのは89分。それは、主導権を奪われながらも、最終ラインを高くして湘南の攻撃を跳ね返していた福岡の限界が近づきつつある時間帯でした。運動量で湘南に負け、中盤でのプレスもままならない時間帯。たったひとつのミスがあれば、あるいは湘南にほんの少しの力強さがあれば、確実に失点を喫するギリギリの状態でした。試合終了まではロスタイムを含めて4分。それは、福岡にとっては安全と言える時間ではありませんでした。

 その4分間で、久藤は見事なまでに存在感を見せました。前がかりになる湘南が作るスペーへ入り込んでボールを受け、味方をスペースへ誘うようにパスを出し、さらにパスを出すと同時に新しいスペースへ移動してボールを受ける。確実に高い位置へボールを運び出して時間をコントロールする久藤のプレーは明らかに試合のリズムを変えました。田中佑昌の先制ゴールも、アレックスの勝ち越し弾も見事でしたが、それ以上に久藤のプレーが私の中では強く印象に残りました。

 第48節を終了した時点でJリーグ通算300試合出場にリーチをかけていた久藤。第49節のC大阪戦を控えて雁の巣球技場で汗を流す久藤に声をかけると、「あんまり意識していないですね。先発で出続けていれば違ったんだろうけれど、ここのところ交代出場ばかりだから。300試合って言っても交代出場じゃ、ちょっとね」と言葉が返ってきました。そして迎えた300試合目で久藤に与えられたプレー時間は、たったの4分間。複雑な心境であったことは想像に難くはありませんでした。

 アジアクラブ選手権優勝をはじめ、様々なビッグタイトルを獲得した一方で、日本リーグやJ2でのプレー経験するなど、およそ、日本のプロサッカーリーグのあらゆる場面を経験してきた久藤。節目の試合では先発出場を果たしてピッチの上をフルタイム走っていたい。それが正直な気持ちだったと思います。しかし、与えられた役割に徹し、チームのために淡々と、そして確実に演じていく姿に、強いプロ意識と、ベテランの維持を感じました。この試合で最も重要な役割。それをさりげなくこなす姿に300試合を積み重ねてきた経験が溢れていました。

「相手が前がかりになっていたから、キープするスペースがありましたからね」。スタジアムを引き上げようとする久藤に声をかけると、淡々とした返事が返ってきました。ベテランの味が凝縮された4分間も、先発で出られない悔しさと、ポジションを奪い返すための闘志で心の中が埋め尽くされている久藤にとっては当然の態度でした。今シーズンも残るは1試合。最終戦では、その思いを余すことなくプレーに表してくれるはずです。

コメント

まったくもって同感です。
あの時間帯の投入に批判的な人もいるようですが、あのわずかな時間に久藤さんは値千金の働きをしてくれたと思います。

逆にあのわずかな時間でチームに落ち着きを生み、試合の流れを変えてしまい、湘南の勢いを押し返すというより受け流しはぐらかしてしまう。
久藤さんだからこその仕事ぷりだったと思います。

くやしいですね。悲しいですね。
次がある。立て直そう!前を向いて進もう!といろんな方たちが、そう思いながら戦ってきた07シーズンですが順位表を見ると頭の中がポーっとなります。
「あと4勝じゃないか・・。あと4勝だったんだ・・。」
「あと4つ勝ってたら・・・昇格してるやん」
くやしいです。
たった4つ。でもあと4つ取れなかったんですね。
京都、C大、仙台、札幌、それぞれから1つ勝ち点3を取っていたら・・・・。
簡単なことだと思います。
でも、迷って苦しんで迷走した今シーズンはそれがきっと越えることができない高い山だったんですよね。

悲しんでいたら、先ほどアビスパ福岡から年間シート継続購入のお願いと購入申込書が同封で郵送されてきました。
なんとも・・・(苦笑)

初めてコメントさせていただきます。
久藤は僕の中学の同級生です。
なので少々贔屓目で見てしまうのですが、
最近の起用法に少々疑問を感じてました。

それがこのブログを読ませてもらうようになり、
考えが変わりました。
大事な時間を託されている久藤。
とてもとても頼もしく思えます。

今年は博多の森と味スタで2試合観戦しました。
33歳、まだまだやれるじゃないかと思うんですが、
プロスポーツの世界ではベテランなんですよね。
故障を抱え精力的に声を出しピッチを走り回る彼の姿に
僕はいつも結城を貰ってます。

なんだか訳が分からない文章になってしまいましたが、
これからも楽しみに読ませていただきます。

ありがとうごいざいます。

中倉です。

ここのところ、レスが遅れがちで申し訳なく思います。いつものことですが、まとめての返信にご了承いただければと思います。

>YOSHI さんへ

いま思いだしても久藤選手のプレーぶりが鮮やかによみがえります。本当にプロらしい、ベテランらしい仕事ぶりでした。派手なプレーではありませんでしたが、だからこそ却って彼の素晴らしさが伝わってきました。そのプレーを来年も随所に見せてほしいと思っています。そして、J1昇格を果たせなかった責任を誰よりも噛みしめている本人のためにも、来シーズンは、何としても昇格を果たしてほしいと思っています。
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>博多赤蜂 さんへ

いくら理由づけをしても、敗因を探っても、この悔しさや悲しさはどうすることもできません。私にとっては、福岡を見続けてきた中で最も納得がいかない1年になってしまいました。これからどうするべきか。自分自身に問いかける毎日が続いています。それでも前を向くしか解決の道はないと思っていますが・・・。
そしてクラブに求めたいことは、何をしたいのかを明確に示すこと、それを誰にでも分かるように行動で示すことです。口で説明するのではなく、行動で納得させてほしい。それが私の切なる願いです。
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>yoshitake さんへ

初めまして。コメントをありがとうございました。

私が、最初にこの仕事を職業にしたいと思った理由のひとつに、厳しいプロの世界で働く選手たちの言葉を直接聞きたいというのがありました。私から見れば、自分の子供のような年齢の選手がほとんどですし、ベテランといえどもひと回り以上も下。それでも、厳しい世界で生きる選手たちの言動は私の胸に強く響き、教えられることが多いと思ったからです。

久藤選手は、それを感じさせてくれる数少ない選手の1人です。かっこのいいセリフを口にするわけでもなく、特別に愛想がいいわけでもなく、選手としては、どちらかと言えば朴訥とした部類かも知れません。しかし、彼の言動には私も多くの勇気をもらっていますし、時には人生さえも教えてもらっているような気がします。これからも彼が福岡でプレーする姿を見続けていたいと思っています。

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