フットボールな日々
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中倉一志

Author:中倉一志
Jリーグ登録フリーランスライター
福岡に住み、アビスパ福岡をはじめ九州のサッカーを中心に取材活動を続けている。「サッカー」と名前さえつけば、どんなカテゴリーでも見ることを信条としている。

[掲載媒体・出演番組等]
 KBC(九州朝日放送)テレビ・ラジオ
 天神FM「バモス・アビスパ」
 週間「サッカーマガジン」
 サッカー専門新聞「EL GOLAZO」
 アビスパ福岡イヤーブック
 Jリーグファンサイト「J's GOAL」
 sports navi「コラムコーナー」
 online magazine 2002world.com
 他、多数

お仕事のご依頼がございましたら、是非お声かけ下さい >>> mail to



 

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救世主になれるか
新加入の丹羽大輝。アビスパの救世主になれるか

 福岡に新しい顔が加わりました。丹羽大輝。U-15日本代表に選出されたのを皮切りに、U-19日本代表までの年代別代表に選出され、U-19日本代表では中村北斗、柳楽智和らと一緒にプレーした経験を持っている選手です。J1での出場は今シーズンのナビスコカップに出場した2試合にとどまっていますが、2007年シーズンは徳島の選手として出場停止処分を受けた3試合を除く45試合に出場。うち、44試合にフル出場を果たしています。

 今回の移籍は、守備の立て直しのためにCBの補強を急いでいた福岡と、出場機会を求める本人の希望が一致して実現したもの。「先週、先々週とサテライトゲームで90分間プレーしている。コンディションは全然問題ない。いける準備は出来ている。この福岡でしっかりと自分の力を出して、チームの力になれることだけを考えてやっている」(丹羽)と話してくれました。囲み取材に自分の言葉ではっきりと話す態度は、しっかりと自分を持っているように感じました。

 合流初日となった27日の練習では、大きな声を出して最終ラインをコントロールし、身振り、手振りを交えて仲間に指示を送る積極的な姿勢が印象に残りました。「それが自分の特徴です」とは丹羽。「積極的にプレーしてくれる選手という印象を持った。そういう選手だとも聞いている」と篠田監督も、まずは及第点を与えていました。しかし、定位置確保はこれからのトレーニング次第。丹羽を含めた5人で2つのポジションを争うことになります。

「全体を統率して守備をオーガナイズし、前の選手を動かしてボールを奪うこと。守備は全員が連動しないとうまく機能しないが、それを自分が連動させるのが持ち味。その中で1対1の強さを出していければと思う。1対1で負けていたらサッカーは負けてしまう。そこは最低限」とは本人の弁。FWからMF、DFと小学校の頃はどこのポジションでもプレーしたそうですが、ユース時代はCBを中心にボランチでプレー。徳島ではCBとボランチで併用されていましたが、福岡ではCBに専念することになりそうです。

 1対1の強さはあっても、守備の連動性に問題を抱える福岡にとっては、全体をコントロールできる選手は必要不可欠。22歳という若さですが、フロントは彼にDFリーダーとしての役割を期待しているようです。「もちろん昇格は絶対目標。けれど、目の前の1試合、1試合を勝つことが、その道につながっていくと思う。いまは次の試合が一番大切なので、そこに対するアプローチをしっかりとやっていきたい」(同)。これからどれだけのものを出してくれるのか。丹羽のプレーに注目したいと思います。


強いアンクラスが戻ってきた
080827_強いアンクラスが戻ってきた

 強いアンクラスが帰ってきました。なでしこリーグDiv.2の再開初戦となったバニーズ京都SC戦を5−1で圧勝。リーグ戦途中で負け越すのは河島監督がサッカーを始めた中学校時代にまでさかのぼらなければいけないという苦しい時期には、試合中のはつらつさが欠けていたように感じたものですが、この日はアンクラスらしい、はつらつとした楽しいサッカーを展開。監督も、選手たちも、ようやく自分たちのサッカーを取り戻した手応えを感じていたように思います。

 試合は立ち上がりからアンクラスがバニーズを圧倒する展開。ゴールが生まれるまで少しばかり時間がかかりましたが、21分に川村真理のゴールで先制点を奪うと、30分には葛間理代がFKに頭で合わせて追加点。後半は、前がかりになったバニーズに押し込まれるシーンもありましたが、その背後を狙うカウンターを仕掛けて3点を追加。バニーズの反撃を62分のオウンゴール気味の1点に抑えて横綱相撲で勝利を挙げました。これでアンクラスは4連勝を飾って5戦負けなし。いい感じになってきました。

 ボールを持っていない選手のアクションが少なかったことや、ボランチを経由せずに縦パス1本で勝負を仕掛けることが多かったこと、ゲームのリズムを握りながら無駄にボールを相手に渡してしまうなど課題もありましたが、1か月を超える中断期間の後の初戦ということを考えれば、まずまずの出来。高い最終ラインや、コンパクトに保たれたゾーンなど、うまく出来ていた部分も多くありました。あとは試合を重ねる中で良さが出てくるのではないかと思っています。

 残念だったのは、この日、取材にやってきていたのが私1人だったこと。北京五輪期間であったことや、他のスポーツと重なったこともあったのでしょうが、やはり、寂しさは否めませんでした。アンクラスが目指すのはDiv.1への昇格だけではありません。ホームゲーム終了後は、サッカー教室や福岡トレセンの講習会を行ったり、なでしこリーグのチームを招いて、地元の中高生を交えた女子サッカーフェスティバルを開催するなど、女子サッカーの普及もアンクラスの目指すもの。もう少し、彼女たちの活動にスポットが当てられてもいいように思います。

 私自身も、アビスパの公式戦を全試合追いかけるようになってからは、中々スケジュールが合わずに地元のサッカーを取材することが減ってしまいましたが、何とか時間を作ってアンクラスをもう少し追いかけてみたいなと思っています。この日も、アンクラスサポーターが声援を送ってくれていましたが、1人でも多くの人たちが彼女たちの活動に関心を持つことが、アンクラスが目指すものを成し遂げるための助けになると思うからです。皆さんも、機会がありましたら、ぜひ、アンクラスの試合に足を運んでください。お願いします。

【2002world.com 更新情報】
08.08.27 広島が4−0の快勝。福岡は致命的なミスで自滅。 〜J2第32節 広島vs.福岡


思いもよらぬ完敗


 完敗でした。このブログで順調な調整ぶりを伝えていましたし、選手たちも手応えを口にしていただけに、あのような試合になることは全く予想していませんでした。広島が強かったことは事実です。2シャドーの高萩洋二郎と柏木陽介が高い位置取りをしたことでDFラインが押し込まれたために、久藤清一、タレイがサイドで1対2の状況をに追い込まれたことが守勢に回った原因でした。しかし、そういった問題よりも、戦術、技術以前の問題で敗れたことに何とも受け入れがたいものを感じています。

 4失点はミスから失ったものですが、そのいずれもがサッカーをする上での基本的なミス。しかも、最も注意すべき時間帯に、最も警戒すべきポイントをおろそかにし、絶対に選択してはいけないプレーを選択してしまったことに問題があります。典型的なのは前半の2失点。相手スローインの際に佐藤寿人をペナルティエリア内でフリーにするなどあり得ないことですし、2失点目はサイドへクリアするか、バックパスをすることで何の問題もなかったシーン。いずれも声を掛け合えば問題にさえならなかったプレーでした。

 サッカーにはミスが付き物で、得点の多くはミスから生まれます。また、福岡には守備の連係を作り上げる十分な時間は与えられておらず、しかも勝ち以外の結果は何ももたらさない状況に置かれていることを考えれば、無失点試合を目指すというよりも、多少の失点は受け入れながら試合を進めなければいけない状況にあります。だからこそ、最も危険な時間帯、場所、シチュエーションで、集中力を高め、互いに指摘しあいながら、無用な失点は防がなければいけません。

 ところが、今の福岡はそれができません。しかも、特定の誰かがミスをするのではなく、試合のたびに誰かがあり得ないミスをし、あり得ない失点を繰り返しています。新体制になってモチベーションが上がり、前向きに取り組み、チーム内のコミュニケーションが良くなったにもかかわらず、この部分については全く変わっていません。誰かがやればいいのではなく、誰が、何をすべきだったのかを明確に追及しなければ、問題点がぼやけるだけで、これからも同じことが繰り返されてしまいます。

 戦犯を見つけ出すのではなく、誰かのせいにするのではなく、しかし、原因と責任を徹底して追及すること。これがいまの福岡に最も必要なことだと感じています。幸い、3位との差は広がっていません。チャンスが残されているからこそ、ひとつ、ひとつのプレーにもっと厳しく接してほしいと思います。それが最終的に、ミスをした選手も含めて全員が望んだ結果を手にすることにつながります。個人のミスは全員でカバーするのが基本。けれど、勝利を目指すが故の厳しさと妥協を許さない姿勢が、本当の連係を生み出すのだと思います。