フットボールな日々
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中倉一志

Author:中倉一志
Jリーグ登録フリーランスライター
福岡に住み、アビスパ福岡をはじめ九州のサッカーを中心に取材活動を続けている。「サッカー」と名前さえつけば、どんなカテゴリーでも見ることを信条としている。

[掲載媒体・出演番組等]
 KBC(九州朝日放送)テレビ・ラジオ
 天神FM「バモス・アビスパ」
 週間「サッカーマガジン」
 サッカー専門新聞「EL GOLAZO」
 アビスパ福岡イヤーブック
 Jリーグファンサイト「J's GOAL」
 sports navi「コラムコーナー」
 online magazine 2002world.com
 他、多数

お仕事のご依頼がございましたら、是非お声かけ下さい >>> mail to



 

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私の開幕戦
晴天に恵まれたKKWING

 8日のJリーグ開幕日にがまだすリーグへ行っていた私にとって、今日は2008年Jリーグ取材の開幕日。熊本まで足をのばして熊本−草津戦を取材してきました。実を言うと、Jリーグの開幕日にスタジアムにいなかったのは1993年以来2度目。なんだか出遅れたような、足が地についていないような、不思議な感覚に襲われていたのですが、ようやく、周りと同じ波に乗れたような気がしています。

 久しぶりに味わうJリーグの空気は、やはり格別のものがありました。試合前のコンコースに溢れるサポーターの笑顔。キックオフを待つスタンドのワクワク感。始まるサポーターの応援。必死になって選手とボールの動きを追い、好プレーに声を上げ、思うようにいかないプレーに溜息をつき、やってくるであろう得点のチャンスに向けて気持ちを膨らませていきます。その思いが爆発するゴールの瞬間。そして湧き上がる歓声。テレビでは絶対に伝えられない空気がスタジアムにはあります。

 そして、Jリーグの開幕は仲間との再会の場所であり、新しい友人との出会いの場所でもあります。サッカーがなければ決して出会うことのなかった者同士が、いつしかサッカーを通してひとつの思いで結ばれ、その輪がどんどん広がっていく。それもJリーグが町にある大きな意義のひとつです。それは我々メディアにとっても同じこと。新しいチームの参加は、新しい取材仲間との出会いを作ってくれます。新たに迎える仲間と力を合わせて真摯にサッカーを伝えたい。そんな気持ちになるものです。

 また、スタジアムは私に力をくれる場所でもあります。まあ、チームの成績が思うように上がらないことがストレスの原因になることもなくはないのですが(汗)、それでも、スタジアムはいつも私に勇気を与えてくれます。シーズン前、いろんなことで憤慨し、悩みましたが、それもKKWINGが救ってくれました。「グズグズ言うくらいなら行動しようぜ」。そう言ってくれたように思います。今年も頑張れそうです。

 ホームの声援を受けて戦う熊本イレブンの姿も素晴らしいものでした。後半30分までは典型的な負けパターンの試合。けれど、決してあきらめない気持ちと、それを後押しするサポーターの熱い思いが逆転勝利につながりました。高橋泰が挙げた見事な2ゴールは、スタジアムの思いが結実した結果だったように思います。そんな強い思いに加えて、前節の課題が整理されていたことも大きな勝因のひとつ。中々やるなという印象が残る試合でした。(詳細は追って2002world.comに掲載します。)

 さて、いよいよ明日は福岡が登場。ホームの思いをしっかりと形にして欲しいものです。


暖かな日差しに誘われて
暖かな日差しに包まれたベストアメニティスタジアム

 まるでで4月のような暖かい陽ざしに誘われてベストアメニティスタジアムへ。久しぶりに仕事を離れて、一般観客としてスタンドからサガン鳥栖vs.U-19日本代表の練習試合を観戦してきました。メモも取らず、のんびりと試合を眺めるのもまた良し。久しぶりの一般席での観戦は、知らず知らずのうちに忘れてしまっていたものを思い出させてくれたような気がします。サッカーを見て、書くことを仕事にしているからこそ、大切にしておかなければならない感覚。それを改めて感じました。

 さて、U-19日本代表は11月1日から16日にかけてサウジアラビアで行われる第35回AFCユース選手権へ向けて編成されたチーム。目標はアジアを制すること、そして、その先にあるFIFA U-20ワールドカップでの活躍を目指すことにあります。1月に行われたカタールU-19国際親善トーナメントでエジプト、ドイツ、ポーランドらの強豪を制して優勝を飾ったのは記憶に新しいところ。71年以来遠ざかっているアジア制覇と、U-20ワールドカップでの上位進出が期待されています。

 招集されたのは、カタール国際親善トーナメントに出場したメンバーを中心にして新たな選手を加えた20人。チームの熟成と新しい戦力の発見が狙いだったようです。ただし、MFは鈴木惇、青木拓矢の2人以外はメンバーが代わっており、チームとしてのまとまりは今ひとつだったように思います。結果は0−3で敗れましたが、それでも、壺にはまった時の流れるような攻撃はキラリと光るものがあり、カタールで優勝した実力が本物であることを窺わせてくれました。

 注目していたのはもちろん鈴木惇です。試合は45分×3本で行われましたが、鈴木は3本すべてにフル出場。1本目は左SH、2・3本目はボランチの位置でプレーしました。周りと連携が合わずにいら立ちを見せるシーンもありましたが、鈴木を起点にしてゲームを組み立てようという意図が明確に感じられ、チームの中心選手として期待されていることが一目で分かりました。随所に見せた正確なキックは、受け手が走り込みさえすれば1点ものというシーンを作り出していました。

 その鈴木の今シーズンの目標はチームでレギュラーを取ってJ1昇格に貢献すること、そして、AFCユース選手権で優勝し、さらにはU-20ワールドカップで世界から認められて海外進出への足掛かりを掴むことです。どちらも簡単な目標ではありませんが、厳しい姿勢でストイックにサッカーに取り組む姿勢を見ていると、それも可能なように思えます。福岡の中心選手に、そして日本を代表する選手に成長してくれることを期待しています。


朝日新聞の記事に思うこと
審判も試合を作る仲間

 3月4日、朝日新聞の「サッカーは笛で始まる」(日本サッカー協会審判委員長)というコラムで、ゼロックススーパーカップのレフェリングについて、「判定良し、対応にまずさ」という題名で、かなり突っ込んだ内容の記事が掲載されました。私の記憶する限りでは、公の場で、責任のある立場にいる人が、審判に対して具体的に苦言を呈したのは初めてのことのように思います。

 コラムによると、GKの飛び出しが見過ごされすぎているとFIFAが懸念を示しており、日本サッカー協会もやり直しを命ずるように指導しているそうで、再三のPKやり直しについては問題がないとしている一方で、判定に対する異議、審判への侮蔑で警告や退場が出たことに対し、「許されない行為である」としながらも、「選手がそんなことをしないで済むように導くのがプロの審判の技術。毅然な態度を持ち続けることや適切な選手とのコミュニケーションが足りなかった」としています。

 私も常々感じているのは、このコラムにある通り、問題があるとされる試合では審判が選手と適正なコミュニケーションを取ろうとしているようには見えないということです。まるで権力者であるかのような立ち居振る舞いや、選手からの申し出に対し、聞こえないふり、見えなかったふりをするかのような態度は「毅然とした態度」とは異なるものであり、互いの関係を正常化するものではありません。

 試合が円滑に進むように、選手とコミュニケーションをとりながら、プレーする側も、観る側もストレスなく試合を進めるのが審判の役割。もちろん、ルールに反することにファールの判定を下すことや、健全な進行を妨げる選手を戒めることは当然ですが、それはあくまで手段であって目的ではありません。そのことは審判をされている方は重々承知されていると思いますが、周りから見る限り、問題があると感じる試合では、ファールを取り締まることが目的のように見えるところに問題があるのだと思います。

 審判だけに非があるとは思いません。ピッチの上で信じられない言葉を発する選手がいるということも聞いています。勝つために手段を選ばない態度は健全な進行とは言い難いものがあります。もちろん、そういう場合は厳しく接するべきですが、そうしたことも含めて、もっと互いにコミュニケーションを取る必要を感じています。審判問題をご法度にするのではなく、必要以上に批判するのでもなく、お互いの共通課題として捉えることで適正なコミュニケーションが取れるのではないかと思っています。そういう意味では、朝日新聞に掲載されたコラムは、審判問題の解決に向かう大きな一歩だったように思います。

※本文と写真に関係はありません。